Sense the future
創薬、食品検査、環境安全、感染症検出、がん検出、犯罪捜査など、多様なアプリケーションを支える革新的な表面増強ラマン分光(SERS)技術をベースに、迅速、無標識、高感度の化学センサーを提供しています。
SERSは1970年代の発見以来、試料中の分子の振動を測定することで、高感度なラベルフリーの化学物質センシングを実現する魅力的なツールとなっています。SERSは、X線回折、核磁気共鳴分光法、質量分析法などに比べて、装置の大きさ、使いやすさ、コストパフォーマンスに優れています。SERSは、金属基板上で局所的な表面プラズモン共鳴を励起することにより、本来弱いラマン散乱よりも数桁以上高い信号強度を得ることができますが、SERSは表面プラズモン共鳴を持つホットスポットがSERS基板上において離散的であるため、計測再現性が低く、SERSの高感度性の利点は損なわれていました。
当社独自のSERS技術は、この問題を克服することで、これまで実現できなかった高い計測再現性を提供し、産業、医療、環境安全などにおいて信頼性のあるデータを提供し、未開拓のアプリケーションを可能にします。すなわち、化学計測におけるイノベーションを皆様にお届けしています。
コア技術
当社のユニークな製品は、東京大学で開発された革新的なSERS技術をベースにしています。このSERS技術に関する関連論文をご覧ください。
ニュース
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SERSとは?
SERSは、Surface-Enhanced Raman Spectroscopy(表面増強ラマン分光法)の略称で、レーザーを用いた無標識化学分析法であるラマン分光法の高感度版です。圧倒的な簡便さが売りの化学分析法です。サンプルに光を照射して、散乱光を検出するだけ。それでサンプル内に何が入っているかわかります。
試料に光(一般的にはレーザーを用います)を照射すると、試料中の分子が本来持っている分子振動により、入射光とは異なる波長で光が散乱されます。この効果はラマン散乱と呼ばれ、発見したインド人科学者C. V. Ramanは1930年にノーベル物理学賞を受賞しました。この散乱光を検出・測定することで、試料中の分子を特定することができます。この分析法をラマン分光法と呼びます。ラマン分光法は、蛍光検出、X線分析、NMR分析、質量分析などの他の分析法に比べて、非常にシンプルで、試料の組成に関する予備知識を必要としませんが、入射光の100万分の1しかラマン散乱されないため、感度が非常に低いという欠点があります。SERSは、試料を金属ナノ構造体の上に置き、入射光と金属ナノ構造体の相互作用により、局在表面プラズモン共鳴と呼ばれる効果で電磁場を増強し、ラマン散乱光を1万倍以上に増強することができます。よって、SERSは、ラマン分光法の低感度問題を解決することで、試料中の分子の高感度同定を行うことが可能です。
製品情報
お客様のニーズに合わせて、複数の独自のSERS製品を提供しています。当社のSERS製品の大きな特長は、測定再現性の高さです。また、SERSのその場測定に適したポータブルラマン分光器も提供しています。SERSやラマン分光の経験が浅い方には、SERS製品とポータブルラマン分光器のセットをお勧めします。SERSに必要なものはこれら二つのみです。
チーム
お客様の化学センシングニーズにお応えします。